髪のダメージについて
髪ってダメージしますよね
ダメージとは、キューティクルが剥がれ落ちたり、毛髪内部の間充物質が流出することにより、元々の疎水性の高い髪が親水性に傾くことになりハリ/コシ/弾力などが失われる現象。
それによって最悪の場合千切れることもあります。
ダメージと言っても原因や内容は様々で髪の色々な部分でダメージによる影響が出ます。
ダメージの原因は大きく分けると4つ
それぞれについて解説していきます。
目次
●濡れた髪に対するダメージ
●過度な施術によるダメージ
●環境によるダメージ
●熱によるダメージ
●濡れた髪に対するダメージ
これを細分化していくと
・お湯
・シャンプー
・オーバードライ、ドライ不足(自然乾燥)
・摩擦(タオルドライ、コーミング等)
などかと思います。
・お湯→37〜38°Cが望ましいです。40°C近いお湯で流すとキューティクルがしっかり開き水膨潤によりカラー、パーマ等の薬剤施術後の状態だと毛髪内部のCMC等の間充物質が流出します。
それにより乾燥の原因になります。
・シャンプー→シャンプーで傷むのは主に泡立ちが悪く摩擦による物理ダメージ、洗浄成分による過度な洗髪、薬剤施術後のキューティクルが閉じきっていない状態での毛髪内部のCMC等の間充物質の流失です。上と同じく乾燥の原因、摩擦により多少キューティクルの剥離も見られます。
個人的にはホームケアでシャンプーが最重要です。
・オーバードライ、ドライ不足(自然乾燥)→実はドライは重要です。同じものを使って同じ様なことをしてもドライの技術で仕上がりに差が出てしまいます。
一瞬脱線しますが、パーマの仕上げや縮毛矯正のアイロン前ドライなど髪の形を変えるものはより顕著に影響します。
実はどちらも水分量をどれくらい残すかが鍵です
話を戻して、、ドライをしないとキューティクルがきちんと閉じず手触りが悪かったり内部の水分が出て行きやすい状態になるので乾燥につながります。
逆にオーバードライはキューティクルも傷めますし、しっかりと乾燥します。パサパサになります。
ちなみに一度でもそれをやると髪は回復しないので美容師はオーバードライに気をつけてドライすることを心がけるべきです。
・摩擦(タオルドライ、コーミング等)→摩擦によるダメージは主に、濡れた状態キューティクルが開いている状態に受けやすいです。
シャンプー、カラー、縮毛矯正等の施術中がわかりやすいかと思います。
パーマだとガシガシコーミングする方はあまりいないと思いますが、その他のタイミングでは髪に負荷がかかるやり方でしている場合もあります。
シャンプーでは泡立っていないのにゴシゴシ洗ってしまうことが原因です。シャンプー剤の泡は摩擦軽減のためにもちゃんと泡立ててから洗うことを推奨しています。
(バックコーミング、逆毛はあまりやらないほうがいいですよ來)
●過度な施術によるダメージ
ここからはほぼ100%美容師のせいです。
これは主に、
・カット不良
・過度なヘアカラー、ブリーチの施術
・パーマ、縮毛矯正等の薬剤施術
です。(カラーとパーマを分けたのは後で説明します)
・カット不良→切れ味の悪いハサミや不適切なセニング、カット方法で毛先のみならず髪の表面を傷付けてしまいダメージの原因を作ってしまう。
セニングによるダメージが多く、中間にパヤパヤ出てきてしまう毛はカット不良によるダメージの可能性あり。
・過度なヘアカラー、ブリーチの施術→カラーは主に髪のCMCを通りキューティクル領域に対する影響が大きく、メラニンの分解、流出やアルカリ、過酸化水素の残留によるダメージもある。
後処理としては、ヘマチン、キトサン、カタラーゼなどが有効。
・パーマ、縮毛矯正による薬剤ダメージ→パーマ、縮毛矯正はアルカリに加えて還元剤を含むためカラーやブリーチとは違うダメージの仕方をする為分けてあります。
パーマ、縮毛矯正のアルカリのオーバースペックによって髪が明るくなったりする方もいますが、基本的に見るからに明るくなったらアウト❌
ただでさえ水膨潤しているのにアルカリによる過膨潤はかなり危ないです。元に戻らなくなります。
還元剤によるシスチン結合の切断はパワーが強過ぎると髪自体の体力が無くなり、酸化させたところで100%が再結合するわけではないので注意。
また縮毛矯正の薬剤が残ったまま、アイロンを入れることでビビリ毛(ケラチンタンパク質の崩壊)が簡単に出来るので本当に気をつけましょう。
●環境によるダメージ
主に、
・紫外線
・ストレス
・食生活
です。
ここからはサクッといきます。笑
・紫外線→これはみんなが浴びているけど特に日焼けしている人や部活動で外に出て平均より多くの紫外線を浴びてしまっている人は注意。
紫外線を浴びることによってメラニン色素が分解されて明るくなってしまう。
退色が早くなるのと一度明るくなったらベースはずっと明るいのでムラの原因になる。
・ストレス→ストレスによるものはダメージと言っていいのかわかりませんが、髪の毛自体が弱ってしまうことがあります。
ストレスや睡眠不足などは身体全体の機能低下にも繋がるが、毛髪/毛根にも影響します。
また、ストレスによって血行が滞ってしまうと必要な栄養が行き渡らず健康な髪が生えなくなってしまう。
・食生活→健康な髪が生えるには健康な食生活、必要な栄養を摂取していることが前提です。
アミノ酸を含んだタンパク質やビタミン、ミネラルの摂取が不足すると毛髪が光沢を失い、細く痩せたり抜け落ちてしまったりする。
●熱によるダメージ
これは主に
・ドライヤーによる熱
・アイロンによる熱
の2つです。
・ドライヤーによる熱→過度な水分の蒸発によってキューティクルが開き、必要以上に乾燥してしまう。
キューティクルだけではなくコルテックス領域にも影響が出る。
・アイロンによる熱→アイロンによる熱美容師だけではなくお客様自身によるものもあります。
どちらも基本的にダメージの原因は同じで過度な熱と強すぎるプレスによるものの2つです。
過度な熱は、熱によって毛髪の水分が蒸発すると共にタンパク質の炭化、場合によっては白化も見られます。
プレスによるものは、熱で形状変化をしながら毛髪を潰してしまっているので毛髪の変形に繋がります。水分が蒸発している状態で変形すると、クセのような状態になりやすくなります。
これは酸熱トリートメントに多いです。
2回目や3回終わって荒れてしまっているのはプレスが強すぎる可能性があります。
今回はダメージの原因を紹介しましたが、これらは日常的に起こってしまっていることです。