January 2023

髪のダメージについて

髪ってダメージしますよね ダメージとは、キューティクルが剥がれ落ちたり、毛髪内部の間充物質が流出することにより、元々の疎水性の高い髪が親水性に傾くことになりハリ/コシ/弾力などが失われる現象。それによって最悪の場合千切れることもあります。ダメージと言っても原因や内容は様々で髪の色々な部分でダメージによる影響が出ます。 ダメージの原因は大きく分けると4つそれぞれについて解説していきます。 目次●濡れた髪に対するダメージ●過度な施術によるダメージ●環境によるダメージ●熱によるダメージ ●濡れた髪に対するダメージこれを細分化していくと ・お湯・シャンプー・オーバードライ、ドライ不足(自然乾燥)・摩擦(タオルドライ、コーミング等) などかと思います。 ・お湯→37〜38°Cが望ましいです。40°C近いお湯で流すとキューティクルがしっかり開き水膨潤によりカラー、パーマ等の薬剤施術後の状態だと毛髪内部のCMC等の間充物質が流出します。それにより乾燥の原因になります。 ・シャンプー→シャンプーで傷むのは主に泡立ちが悪く摩擦による物理ダメージ、洗浄成分による過度な洗髪、薬剤施術後のキューティクルが閉じきっていない状態での毛髪内部のCMC等の間充物質の流失です。上と同じく乾燥の原因、摩擦により多少キューティクルの剥離も見られます。個人的にはホームケアでシャンプーが最重要です。 ・オーバードライ、ドライ不足(自然乾燥)→実はドライは重要です。同じものを使って同じ様なことをしてもドライの技術で仕上がりに差が出てしまいます。一瞬脱線しますが、パーマの仕上げや縮毛矯正のアイロン前ドライなど髪の形を変えるものはより顕著に影響します。実はどちらも水分量をどれくらい残すかが鍵です 話を戻して、、ドライをしないとキューティクルがきちんと閉じず手触りが悪かったり内部の水分が出て行きやすい状態になるので乾燥につながります。逆にオーバードライはキューティクルも傷めますし、しっかりと乾燥します。パサパサになります。ちなみに一度でもそれをやると髪は回復しないので美容師はオーバードライに気をつけてドライすることを心がけるべきです。 ・摩擦(タオルドライ、コーミング等)→摩擦によるダメージは主に、濡れた状態キューティクルが開いている状態に受けやすいです。シャンプー、カラー、縮毛矯正等の施術中がわかりやすいかと思います。パーマだとガシガシコーミングする方はあまりいないと思いますが、その他のタイミングでは髪に負荷がかかるやり方でしている場合もあります。シャンプーでは泡立っていないのにゴシゴシ洗ってしまうことが原因です。シャンプー剤の泡は摩擦軽減のためにもちゃんと泡立ててから洗うことを推奨しています。(バックコーミング、逆毛はあまりやらないほうがいいですよ來) ●過度な施術によるダメージここからはほぼ100%美容師のせいです。 これは主に、 ・カット不良・過度なヘアカラー、ブリーチの施術・パーマ、縮毛矯正等の薬剤施術 です。(カラーとパーマを分けたのは後で説明します) ・カット不良→切れ味の悪いハサミや不適切なセニング、カット方法で毛先のみならず髪の表面を傷付けてしまいダメージの原因を作ってしまう。セニングによるダメージが多く、中間にパヤパヤ出てきてしまう毛はカット不良によるダメージの可能性あり。 ・過度なヘアカラー、ブリーチの施術→カラーは主に髪のCMCを通りキューティクル領域に対する影響が大きく、メラニンの分解、流出やアルカリ、過酸化水素の残留によるダメージもある。後処理としては、ヘマチン、キトサン、カタラーゼなどが有効。 ・パーマ、縮毛矯正による薬剤ダメージ→パーマ、縮毛矯正はアルカリに加えて還元剤を含むためカラーやブリーチとは違うダメージの仕方をする為分けてあります。パーマ、縮毛矯正のアルカリのオーバースペックによって髪が明るくなったりする方もいますが、基本的に見るからに明るくなったらアウト❌ただでさえ水膨潤しているのにアルカリによる過膨潤はかなり危ないです。元に戻らなくなります。還元剤によるシスチン結合の切断はパワーが強過ぎると髪自体の体力が無くなり、酸化させたところで100%が再結合するわけではないので注意。 また縮毛矯正の薬剤が残ったまま、アイロンを入れることでビビリ毛(ケラチンタンパク質の崩壊)が簡単に出来るので本当に気をつけましょう。 ●環境によるダメージ主に、 ・紫外線・ストレス・食生活 です。ここからはサクッといきます。笑 ・紫外線→これはみんなが浴びているけど特に日焼けしている人や部活動で外に出て平均より多くの紫外線を浴びてしまっている人は注意。紫外線を浴びることによってメラニン色素が分解されて明るくなってしまう。退色が早くなるのと一度明るくなったらベースはずっと明るいのでムラの原因になる。 ・ストレス→ストレスによるものはダメージと言っていいのかわかりませんが、髪の毛自体が弱ってしまうことがあります。ストレスや睡眠不足などは身体全体の機能低下にも繋がるが、毛髪/毛根にも影響します。また、ストレスによって血行が滞ってしまうと必要な栄養が行き渡らず健康な髪が生えなくなってしまう。 ・食生活→健康な髪が生えるには健康な食生活、必要な栄養を摂取していることが前提です。アミノ酸を含んだタンパク質やビタミン、ミネラルの摂取が不足すると毛髪が光沢を失い、細く痩せたり抜け落ちてしまったりする。 ●熱によるダメージこれは主に ・ドライヤーによる熱・アイロンによる熱 の2つです。 ・ドライヤーによる熱→過度な水分の蒸発によってキューティクルが開き、必要以上に乾燥してしまう。キューティクルだけではなくコルテックス領域にも影響が出る。 ・アイロンによる熱→アイロンによる熱美容師だけではなくお客様自身によるものもあります。どちらも基本的にダメージの原因は同じで過度な熱と強すぎるプレスによるものの2つです。 過度な熱は、熱によって毛髪の水分が蒸発すると共にタンパク質の炭化、場合によっては白化も見られます。 プレスによるものは、熱で形状変化をしながら毛髪を潰してしまっているので毛髪の変形に繋がります。水分が蒸発している状態で変形すると、クセのような状態になりやすくなります。これは酸熱トリートメントに多いです。2回目や3回終わって荒れてしまっているのはプレスが強すぎる可能性があります。 今回はダメージの原因を紹介しましたが、これらは日常的に起こってしまっていることです。

トリートメントについて

前回、髪質改善の種類について触れましたが今回は僕の思う最善のトリートメント工程を書きます。 トリートメントを改めて言語化すると アルカリ膨潤↓CMC/ケラチンや疏水物↓酸縮合↓コンプレックス↓オイル↓脱水縮合 かなと思います。 では一つずつ解説していきます。 _______________________ ○アルカリ膨潤pHをアルカリ性域に持っていって髪のキューティクルを開き内部までしっかり濡らして膨潤させること アルカリを使うことでしっかりウェットする時の時短にもなるのと膨潤させることでトリートメントの浸透を良くする 僕が使っているのは、あらゆる施術のサポートができるアルギニン濃度12%のアミノ酸トリートメント アルギニンはアルカリ性域のアミノ酸でpHは11あたりを指すので少量を入れてしっかりと髪を濡らす サイエンスアクアのOHやs-100など、Amazonで買えるアルギニンパウダーでも代用可能です。 ○CMC/ケラチンや疏水物髪の中に栄養を入れるというのはこれを指します。僕が普段使っているものは、申し訳ありませんが企業秘密になります ●CMC(細胞膜複合体脂質)→コルテックス間/キューティクル間にあり、コルテックス同士を接着する働きがある。脂質(57%)ケラチン(43%)で構成されている。脂質とはセラミドとコレステロールを酸で混合したもの。CMCは水や薬剤の通り道となる為、不足すると自由水が増えハリや弾力が無くなったり髪が乾きにくくなったり乾いたら際には乾燥してしまう。 ●ケラチン→シスチン結合(硫黄、ジスルフィド結合)を持つタンパク質。よくあるのは羽、爪、鱗、角などを一定濃度の酸やアルカリによって加水分解されているもの。分子量が小さい方が内部まで入り、10000を超えるものは表面に吸着することが多い。 ●疏水物→代表的な物だとセラックやタンニン等疏水物を入れることにより髪が水を弾きやすくなる為ドライの時間が短縮される+艶UP+手触り良くなる。 ○酸縮合酸によって髪を引き締めて内部に入れたものを閉じ込める。収斂させること。これをやることでアルカリに傾いたpHを弱酸性に戻せるのと保ちが良くなります。 一般的に手に入る物だとクエン酸でも代用可⭕️ ○コンプレックスここでいうコンプレックスとはイオンコンプレックスのこと。詳しく知りたい方はネットで調べてください。簡単に言うと、アニオン(ー)を付けた上にカチオン(+)を重ねることでコンプレックスさせます。固めるみたいなものです。 よくあるシャンプーとトリートメントはアニオンを付けた後に、カチオンを重ねることでイオンコンプレックス(イオン吸着)を行なって手触りを良くしています。 ○オイルこれはシリコンやアウトバスのオイルを指します。シリコンでのコーティングもオイルですし、アウトバストリートメントでオイルをつけることも同じです。皮膜形成です。 ちなみにコーティング系のトリートメントはシリコンを重い順に重ねているだけのものもあるのでコンプレックス+オイルのみのトリートメントでもシステムトリートメントと呼ばれています。 分かりやすいのがミルボンのリンケージです。アモジメチコン(重いオイル)↓ジメチコン(ちょっと重いオイル)↓シクロペンタシロキサン(揮発性のオイル) こうすると手触りがベタベタにならずに良くなります。このようなトリートメントは時間を置く必要が無いのでクイックトリートメントにもなります。 ○脱水縮合ドライヤーやアイロンで水分を飛ばすこと。酸熱トリートメントで最後にアイロンをするのはこの為。脱水縮合を行うと水素結合+イミン結合が出来て、毛髪内部の自由水が反応して結合水になります。 自由水→濡らすと入り乾かすと出て行く水結合水→髪に結合して残る水、元々人の体の中にある水でマイナスでも凍らず100°Cでも蒸発しない水のことイミン結合→毛髪内のアミノ基(NH2)とカルボニル基(O)が脱水縮合することにより出来る結合 ポイントはジューっと言わない程度までドライした上でアイロンを入れて水蒸気をきちんと飛ばすことがマストです。これをしないと酸熱トリートメントは意味が無くなってしまうのとただアイロンを通しているだけになってしまいます。 ここまでが僕の思う最善のトリートメントの工程です。従来のシステムトリートメントや、酸熱トリートメントと呼ばれるものはこれを全てやっているものはあまりありません。ダメージして親水性に傾いた髪を健康な疎水性に戻してあげることがポイントです。 綺麗な髪を創ることにはそれぞれを組み合わせることと、やる事の意味を知ることが大切かなと思います。

髪質改善について

前回、髪質改善について軽く触れましたが、実際に髪質改善と言われるものには以下のような施術があります。 ※これらはあくまで世間的には髪質改善というカテゴリーでされる施術で僕個人の見解とは異なります。それぞれについて僕の知っている範囲で説明していきます。(もし間違いあれば指摘下さい) _______________________ 目次○酸熱トリートメント○サイエンスアクア○システムトリートメント○水素トリートメント○縮毛矯正 _______________________ ○酸熱トリートメントpHによって髪を収斂させつつ、酸による架橋+結合で手触りや艶がUPする 主な内容はアミノ酸/CMC/脂質の補給→酸縮合→コンプレックス→オイル→脱水縮合 →よく使われるのがグリオキシル酸レブリン酸マレイン酸サリチル酸カルボン酸などで様々なものがあります。 グリオキシル酸/マレイン酸が割とメジャーですね。 ●メリット・仕上がりは綺麗になる・髪質によっては良い・グリオキシル酸での酸熱だと癖の緩和も期待できる ●デメリット・カラーの変色がする・残臭がある・比較的誰でも出来るが、手順しか知らない人が多い・全員には合わない(髪質によって合わない)・カラー/縮毛矯正等との相性が悪い・失敗が多い・繰り返し過ぎるとビビることがある こちらのデメリットはあくまで『酸の種類による』という前提があります。 _______________________ ○サイエンスアクアpH移行によってトリートメントの浸透を良くして手触りや艶をUPさせる 主な内容はアルカリ膨潤→アミノ酸/脂質/CMC等の補給後→酸縮合→コンプレックス→オイル→脱水縮合 ●メリット・髪の付着物を取り除き、キューティクルを開いて施術する為、浸透しやすい・カラー/縮毛矯正等の技術との相性が良い・ダメージ毛への相性は良い ●デメリット・ph11→1.3と急激なph移行によるダメージ+負担・持続性はあまりないらしい内部に・健康毛に対してはダメージの原因にもなる・繰り返しやるのには向いてない _______________________ ○システムトリートメント1番メジャーなトリートメントでダメージ源になることが他のトリートメントより少ない 主な内容はコンプレックス→オイル ●メリット・比較的安価な為やりやすい・カラー/縮毛矯正等の他の施術との併用が出来る ●デメリット・コーティングがメインの為あまり意味が無い・施術当日〜数日しかあまり良さを感じられない・表面や内部に薬剤等が残っている場合は閉じ込めてしまう _______________________ ○水素トリートメントサイトやメーカーの言っていることが本当ならとても良いものですが、今はミネコラとULTOWAが主流。水素メインのトリートメントで毛髪内部の活性酸素を除去して髪の水分量をあげるものらしい。 主な内容はケラチン/コラーゲン補給→コンプレックス?→オイル→脱水縮合 ●メリット・活性酸素の無害化による髪の水分保持UP・純度の高いコラーゲンを補給できる為柔らかい手触りになる・工程は簡単 ●デメリット・健康毛に対してはあまり意味ない(活性酸素の除去を目的としている為)・水素が果たして本当に作用しているのかという疑問・内部に入ると書いてあるが、分子量などの記載がない為信憑性がない _______________________ ○縮毛矯正根本的に癖を伸ばすなら確実にこれ。薬剤知識と還元剤等の基礎知識さえつければ下手なトリートメントより良い。保ちは半永久。処理剤を合わせれば本来トリートメントでやりたい工程が全てできる。 ●メリット・半永久的に保つ・同じところにはほぼ必要なく伸びたところをかけるのみで良い・トータルで見るとコスパがいい・癖が綺麗に伸び、髪に艶が出て綺麗になる ●デメリット・技術のレベルにムラができやすい・勉強する場所があまりない(適当なことを発信している人が多い)・費用、時間がかかる・残臭が気になる場合が多い(処理剤により取り除ける) _______________________ 主に髪質改善とはこの辺りを指すものだと思います。 ただ発信の仕方や受け取り方によっては意見がかなり分かれる。 はっきり言って詐欺まがいのことをやっている人もいるので注意。 それぞれ導入する時には正しい知識とお客様にきちんとメリット/デメリット共に説明して納得してもらった上で施術しないとトラブルになりやすい為、わからない/対応できないなら素直に断ることも大切。 例えば、縮毛矯正以外でクセが伸びるの表現はNGグリオキシル酸でのクセの緩和は見込めるが法律的にもアウトかも。 まずはそれぞれ髪質改善の定義をはっきりさせるべきで髪質改善というメニューを作るのではなく、どの薬剤を使って髪質を改善させるのかが大事。継続しなければいけないのであれば継続出来るメニュー(薬剤設定等)を先の分まで提案したのちにホームケアを頑張るようにアドバイスすることが1番の改善かなと思います。

はじめに

まずこのブログを始めたきっかけは、薬剤だけではなくケミカルや毛髪化学を本格的に勉強するにあたってインプットしたことをアウトプットする為です。なので美容師さんでもみんなが分かる内容かと言われると知らない人、分からない人の方が多いかもなので難しいことや座学?が苦手な人は見ない方がいいかもです、、 昨今、髪質改善というものが流行って色々なものが流行りそれがよかった人、悪かった人いると思います。 髪質改善と呼ばれるものはいくつもありますが、代表的なものだと○酸熱トリートメント○サイエンスアクア○システムトリートメント○水素トリートメント○縮毛矯正 あたりです。 各メーカーがそれぞれ商材を出して、それを美容師がこぞって取り入れているという感じですね。 さてここで疑問ですが、これらの違い、メリット/デメリットをハッキリと言える方がどれくらいいるのか。仕組みや工程の意味やどう言ったことが起こっているのかお客様に説明出来る美容師がどのくらいいるか。 正直周りの美容師の知り合いやお客様が他店でされた中でふわふわした答えではなく説明の出来る人は0ではないですがほぼいませんでした。 それは何故か→美容師はディーラーから営業されて又は流行っているからと言って取り入れますが、その時に聞くこと、受ける説明がザックリ過ぎること。 ここまで読んで、は??何言ってんの?自分はわかるの?と思う方もいるかもしれません。 僕が本気で勉強していこうと思ったのは趣味+自分達の使うものを知らな過ぎるということ、教える側がきちんとした知識がないから下の子に曖昧なまま伝わりそれの連鎖が起こってしまい美容師が楽しくないと言う子が生まれてしまうことが見てみて気持ち良くなかったからです。 ハッキリと伝えないまま今回は終わりますが、次の投稿でそれぞれについてを忖度なしで詳しく書きます。 ※このブログはあくまで個人の偏見込みの記録、アウトプットがメインのものです。(アンチは受け付けてません)それが読んでくださった方のお役に立てれば嬉しいですし、読んだよって言ってくれるともっと嬉しいです☺︎